ここでは足の痛みの中でも太ももやふくらはぎの痛みの原因、肉離れについて詳しく説明していきます。
スポーツ選手が肉離れを起こして試合を長期離脱、といったニュースを耳にする機会もよくあります。実際に肉離れを起こしたことのある方も少なくないでしょう。では「肉離れって何なの?足が攣(つ)るのと何が違うの?」と聞かれて正確に答えられる方もそう多くはないでしょう。
太ももやふくらはぎの痛みの原因となる肉離れとはどんな状態なのでしょうか?
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【肉離れとは】
肉離れとは、筋肉が急激に収縮することによって筋膜や筋繊維などの筋組織が部分的に損傷した状態の事を言い、別名筋損傷とも呼びます。例えて言うなら、輪ゴムをいきなり両サイドに引っ張った場合に、よく見ると所々切れ目が入ったような状態です。完全に切れてしまった場合は筋断裂と呼び、肉離れとは区別されます。靭帯損傷と靱帯断裂の違いと同様です。ちなみに足が攣る=こむら返りとの違いは、肉離れが筋肉が損傷することに対してこむら返りは筋肉が異常収縮(つまり痙攣)した状態のことです。
【肉離れの原因】
肉離れが起こる原因としては、筋肉を急激に収縮させることにあります。その要因としては、十分に準備運動していない状態で急激な運動をした時、筋肉を酷使しすぎて疲労が蓄積している時、筋力が弱く不足している時などです。またその背景としては運動不足や準備運動不足だけでなく、睡眠不足や栄養不足、気温が低いことなども関係している場合があります。肉離れを起こしやすいのは30〜40代の男性で、体は日頃の運動不足や筋細胞の老化が進み始めていても、頭は若い時のイメージで体を動かそうとする余り、筋肉が動きに耐えられず損傷してしまうからです。子供の運動会での保護者リレーなど、お父さんが張り切ってしまうものの肉離れを起こしてしまうという例は多く見られます。
【肉離れの症状】
肉離れの症状は、損傷部位に強い痛みや腫れ、内出血などが挙げられます。軽症であれば歩くことは可能ですが、体重をかけると痛みが強くなるのでうまく歩けません。重症例では筋肉の損傷が深く、患部には筋肉の陥没が確認出来るほど断裂していることもあります。出血が多いと血腫を形成することもあります。sponsored link
【肉離れの治療】
肉離れの治療法としては、基本的には自然治癒に任せます。受傷後の応急処置が最も重要で、RICE処置と呼ばれる安静・冷却・圧迫・挙上の4つの処置を施します。どのような怪我でもそうですが、応急処置は非常に大切で応急処置の速さと的確さ如何によって、その後の回復経過には大きな差が生まれるほどです。受傷後はとにかく早急に応急処置を施すことが重要です。そして、受傷後3〜5日ほど経って痛みが弱まってきたら、患部を温めたりストレッチを行うなど筋肉の回復に努めます。軽症の場合は早くても2週間ほど治癒するまでに時間はかかりますが、長いと2ヶ月近くかかってしまう場合があります。また、一度肉離れを起こした箇所は以降も再発をしやすくなってしまうので、日頃から予防を心掛けて準備運動の徹底などを欠かさないように注意することも必要です。
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